15.バテないための休憩法

山では元気がイチバン。町の中では途中で歩けなくなっても問題はない。

一方、山では、目的地にたどり着けないことには話にならない。

1日8時間の登山はフルマラソンを完走する2倍のエネルギーが要求されるという。どんなにゆっくりでも歩けばそれだけ消耗する。

バテないためのコツはいくつかある。体調が悪いと食欲がない。しかし休憩でただグタッと腰を下ろしているだけで、食べ物を口にもせず水も飲まないのでは回復にならない。サンドイッチやおにぎりは普段の半分ぐらいの大きさにしてラップで包んでおく。それを昼のお弁当として一度に食べるのではなく、小休止に少しずつ食べる。食べ物はのどを通らないという人はアメ玉をしゃぶろう。

糖分はエネルギーに転換しやすい。筋肉が疲労すると、乳酸が蓄積される。この乳酸を分解してくれるのはクエン酸。このクエン酸を多く含むといわれるレモンや梅干し。レモンの蜂蜜漬けは最高のピンチ食といえるのではないか。

水は一度にたくさんではなく、少しずつ頻繁に飲むようにするのがコツだ。


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14.低山の楽しみ(食事)

低山歩きでの食事は2通り考えられる。

1つはリッチな昼食をプランする。もう1つは、特別に食事など考えない、である。

低山歩きでは、コースタイムが短い分、昼食はたっぷり時間がとれるし、腹一杯食べてもその後の行動に影響がない。

最低限、クッキングストーブとクッカーを準備、たとえばレトルト食品のウナギとご飯でほっかほかのうな丼が山上で食べられる。許される山域なら天ぷら油と小麦粉を用意して、途中で摘んだヨモギ、タンポポ、アザミの葉っぱでお昼は天ぷらご飯もいい。反対に昼食は考えない、というスタイル。

歩く時間が短いのだから、休憩の都度適当なものを少しずつ食べ、全体の昼食時間はとらない。その分、スケッチをしたり、写真を撮ったり、物思いにふけったり・・・。

これは、来るべき登山のトレーニングと考える人には、行動時間の確保、長い休憩で体を冷やしてしまわないという戦略的な食事ともいえる。


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13.登山の楽しみ方(低山ハイク)

里にはサクラが満開で、山道にはカタクリがくるりと巻いた花びらを開いて、目を楽しませてくれる。

低山の盛夏はちょっといただけないが、秋のさわやかな風に誘われて、そのときの気分でプランを実行に移せるというのも魅力だろう。

低山歩きを魅力的にするコツは趣味、そしてテーマを持つことだ。写真は手近な趣味ではあるが、ただシャッターを押すというだけでなく、テーマを決めてはどうだろう。

たとえばテーマはカタクリ。花を追いかけて、山から山へと巡り歩くのも愉快ではないか。

山でスケッチというのも趣味としては悪くない。温泉もいい。山の温泉に入ったら、湯船に入っている写真を1枚と温泉の効用をメモ。それぞれの温泉ごとにこれらを残していけば、おもしろいライフワークになること間違いなしである。

初秋から春までの3シーズン、趣味とともに低山逍遥、これもまた楽し、である。


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12.山の危険とその対策(道に迷ったら)

「道に迷う」という。実は、迷ったのではなく間違えたのだが、なぜ道を間違えるのか。

コースが二分している箇所では、たいていの場合道標がある。

ない場合は、道がその先でまた合流するなど、迷うことが考えにくい場所である。本道は枝道に比べ踏み跡がはっきりしているという判断基準もある。

もっとも、間違いの方が踏み跡がはっきりしているというケースもあることはある。

直線コースはリズムに乗りやすい。途中、直角方向にコースが分かれていても、道標でもない限り見落としやすい。

5分か10分進んで、間違ったことに気づき引き返す。こうして往復踏まれるから、間違いの道の方が、本道より明瞭になることもある。

布やテープで、登山道であることを示しているケースが多い。木々がうっそうとしていたり、広場のようになっていて、道がどこに続いていくのか一目ではわからないことがある。登山道ではなく、「けもの道」に誤って入ってしまうこともある。そんなときの判断にこの印を探そう。


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11.山の危険とその対策(落石と滑落)

「気をつける」という言葉がある。気を入れれば油断がない、魔がさす余裕がないということで、危険のかなりの部分を回避できるといってよい。

「落石注意」の表示があれば、見回して、落石がないか見ながら素早く通過。反対側が沢の場合は落ちないように気をつける。ガレ場では、石を跳ね上げ、落石を起こさないように注意。

特に雪解け間もないころや台風シーズンなどは、ガレが不安定になっている。歩くときは静荷重静移動で、跳ね上げないように歩く。人と人の間はできるだけ間をあけず、もし石が動いても加速がつかない距離で進むように。

もし落石が起こったら、間髪を入れずに「ラーク(落石)」と大声を上げ、下にいる者に注意を促すこと。野や山で恐ろしいものに雷がある。雷の危険は落石とは別の種類のもの。気合いで逃れることはできない。

ただし、雷雨注意報はよくあたるので、天気予報をよく聞き、注意報が出ていたらその時間帯はなるべく下の方にいるようにするべきである。


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10登山の技術(安全な歩き方)

誰かに誘われて山に登るとき、不安に感じるのは急な坂道だったり大きなザックではあるまいか。

急坂は確かに怖いが、ザックについては心配ご無用。むしろ問題になるのはあなた自身の体重だろう。

歩き始めはだれもがずんずん歩いてゆける。山登りでは、歩き始めてから休憩までのサイクルを「ピッチ」と呼ぶ。通常、50分歩いて10分休む。これがワンピッチ。

この50分が40分でも1時間でもいいが、ワンピッチ目で50分歩いて次は急坂で息が切れたからと20分で休むというのでは長丁場は持たない。

それと忘れてはならないのが、山と街の歩き方はまるで違うのだということ。街での歩き方は、まず後ろ足のかかとが上がってつま先で蹴り出すようにして推進力となる。

前に出した足はかかとから着地して足裏全体が接地する。跳ね上がるような歩き方だ。歩幅を狭くすると、蹴らないで歩け、靴底は地面にフラットに着地できる。出した足の方にゆっくり体重をかけていくようにして、スムーズに体重移動させる。「山の中ではゆっくリズムが基本」がいい。


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9.靴ずれ、日焼け、熱中症を防ぐには

山歩きのために、体の中で一番重要なのは足ということに異論はないだろう。

その足と靴の相性が悪くて生じるのは靴ずれ、マメだ。靴下の汚れなどに原因がある場合もあるが、知識のある人からアドバイスを受け、足にあった靴を選ぶことが大切。山で初めて履くのではなく、入山前に履き慣れる。

どこが緩めだと中で足が遊ぶので、靴ずれができる。靴ひもを締めて、足の遊びをなくするのも対策の一つだ。

歩いていておかしいなと思ったらすぐ靴を脱いでチェックしよう。赤くなっているだろうから、テーピング用テープとか絆創膏で保護してやるとよい。

足元から今度は頭の上の話だ。山は高いために紫外線が強くなるといわれている。曇っていても紫外線は同じくらいだともいわれる。雪渓などでは反射した光も浴びることになる。というわけで、日焼け対策、目の保護が大切になってくる。対策としては、肌を極力露出しないこと。

基本は長袖、長ズボンだ。熱中症対策としては、水分は一度にたくさんではなく、少しずつ頻繁に飲んでおき、体調がよくなければ無理せずに日陰の涼しいところで休憩を取るなどして予防することが大切である。


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8.登山の知識(地図を広げて)

山歩き入門講座の受講者に共通する欲求として、「読図の習熟」がある。

「道に迷ったとき、読図ができれば安心だから」という。しかし、そう考える前に気づいてほしいことがある。

「迷ってしまってからでは遅すぎる。どんな状況で道に迷うんだろうか」と。辺りの山が見えるような視界良好下で、道に迷うということはまずない。

ただ、道を間違えるということはよくある。それに気づかず行動を続けた結果、自分がどこにいるかわからない、なんてことはよくある。

読図というのはそんなことに陥らないための習慣なのだ。

つまりは、迷ってからではなく、迷わないための技術というべきものなのだ。

とりあえずは、登山道という1本の線の上で、今自分がどこを移動しているのか、それを絶えず意識していてほしい。地図に関してもう一ついえば、地図はすぐ見られることが大切。持ってきているがザックの中、その山行中一度も出したことがないという人は「安心登山」からかけ離れた人といえよう。


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7.靴、ザック、雨具には十分な予算を

登山のための特別なものは、種類の多い登山専門店で買う、というのが一般的である。

まず最初に買ってほしいのは、登山専用の登山靴、それからザック、そして雨具だ。スニーカーでいいやとか、ビニールカッパで十分、昔スキーで使っていたザックがあるからいいやと考えている人にはマイナス点を贈りたい。

登山靴は種類が豊富なので、自分の用途にあったものを選ぶことができる。

雪のないハイキング程度の山、雪山、重い荷物を背負っての長いコースなど使い分けることが大事です。

雨具は、「レインスーツ」と呼ばれる上下セパレートタイプのものがいいでしょう。

完全防水地のものは、雨をシャットアウトする利点はあるが、蒸れやすい。素材としては防水、透湿、防風に優れた化学繊維のものがいい。ザックは30リットル程度の大きさの「アタックザック」と呼ばれるものを。両サイドに大きすぎないポケットのあるものが便利だろう。


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6.登山の用具

登山用具を買い揃える、安全登山の第一歩がここから始めると考え、慎重に選ぶ必要があります。

上手な登山用具の選び方にはどんなことを考えればいいでしょうか。

まず第一に、自分は今どのような登山を志しているのか、そして、その登山はどう発展していくのか。やや先まで展望してみることです。軽いハイキングにとどまるのか、あるいは近い将来数日かけて高い山を縦走する希望があるか。その辺りを考慮して無駄のないように心がけます。

第二に、用具についての基礎的な知識を得ておくことです。山の雑誌やガイドブックの中から参考になりそうなものを選びカタログを取り寄せます。その中から、自分に合いそうなものをピックアップしておきます。

第三に、現物を目で見ることです。カタログのイメージと異なることがあるからです。そこで、登山用品専門店を訪ねることになります。専門店には、用具が豊富に取りそろえられ、経験豊かで専門知識を持ったスタッフがいます。客がどんな質問をしても、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。そうして、十分納得できてから買うことが肝要です。


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